IASR-logo

COVID-19剖検例の解析と病理組織像

(IASR Vol. 41 p118-119: 2020年7月号)

はじめに

2019年12月に中国武漢で確認された新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染は世界各国に拡大し, 2020年3月, 世界保健機構(WHO)はパンデミックを宣言した。SARS-CoV-2感染症はCoronavirus Disease 19(COVID-19)と命名された。COVID-19の重症例や死亡例のほとんどが, 肺炎から急性呼吸促迫症候群(ARDS)を併発し, 呼吸不全となるが, 凝固異常, 腎機能障害など, 肺以外の臓器障害も伴うことが分かってきた。COVID-19剖検例の解析は, 致死的病態を解明するために非常に重要である。中国, 米国, ヨーロッパから病理解析の報告が相次いでいるが, 本稿では, 国内剖検例の病理組織像と分子病理学的解析結果1)について報告する。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan