IASR-logo

新型コロナウイルス感染症流行期の超過死亡推定, その解釈と留意点, 今後

(IASR Vol. 41 p207-208: 2020年11月号)

今般の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の死亡率に関する正確な数値を得ることは, 限定的なウイルス検査の現状や質の点から困難であるとされている1)。その場合, パンデミックの死亡負荷を評価するために, 平時の状況で予想される死亡率よりも, どの程度高い死亡率の増加が認められるかを評価するアプローチがある。いわゆる「超過死亡」アプローチと言う。このアプローチは, 肺炎やその他の呼吸器疾患のような感染症に直接関連する特定の死因や, パンデミックによって間接的に影響を受ける他の死因に適用することができる。実際, COVID-19によって多大な影響を受けている多くの国では, COVID-19の死亡負荷を定量化するために, この超過死亡のアプローチが用いられている2,3)

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan