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WHO西太平洋地域における麻疹排除事業―2022年上半期までの進展と課題

(IASR Vol. 43 p213-215: 2022年9月号)

 
1. WHO西太平洋地域(WPR)における麻疹排除事業

 麻疹の排除(elimination of measles)は, 良好に機能するサーベイランスのもとにある地域や国といった特定の地理的領域において, 12カ月間以上, 持続伝播をした麻疹ウイルスがない状態, と定義される1)。麻疹排除の認証(verification of measles elimination)は, 排除認証の基準に達したサーベイランスの存在とウイルスの遺伝子分析のもとで, その地域における流行株とされた麻疹ウイルスの伝播が, 最後の症例から少なくとも36カ月間, 遮断され続けていることを示す公的文書が, WHOの設立した麻疹風疹排除認証委員会に精査されることによってなされる1)

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