国立感染症研究所
2019年10月1日現在
(掲載日:2019年10月16日)

水痘は水痘帯状疱疹ウイルス(varicella-zoster virus; VZV)の初感染の病態である。発熱と全身性の水疱性発疹(様々な段階の発疹が混在)が主症状であるが、多くの合併症が知られており、成人や妊婦、免疫不全患者等は重症化のリスクが高く、時に致命的となる。更に水痘罹患後、脊髄後根神経節等 に潜伏感染したVZVが再活性化することで帯状疱疹を発症する。

水痘はワクチンで予防可能な疾患である。長く任意接種の位置づけであったが、2012年に日本小児科学会からも水痘ワクチンの1-2歳で2回接種の推奨が出され、さらに2014年10月1日から定期接種対象疾患(A類疾病)となった。接種対象者は生後12—36か月に至るまでの児で、2回の接種を行う(2014年度は生後36—60か月に至るまでの児にも1回接種の経過措置がとられた)。

感染症発生動向調査における水痘に関する2つのサーベイランス報告状況に基づき、水痘ワクチン定期接種導入後の国内発生動向を報告する(2019年10月1日暫定値)。

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