国立感染症研究所

掲載日:2021年9月28日

第53回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和3年9月27日、厚生労働省)の報告による、我が国における新型コロナウイルス感染症の状況等についてお知らせいたします(第53回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード 資料1)。

英語版(準備中)

感染状況について

全国の新規感染者数(報告日別)は、直近の1週間では10万人あたり約14。年齢別に10万人あたりの感染者数をみると、50代以下が中心。

新規感染者数の減少に伴い、療養者数や重症者数も減少が継続している。また、死亡者数(※)は緩やかな減少傾向に転じている。公衆衛生体制・医療提供体制についても改善傾向にある。 

実効再生産数:
全国的には、直近(9/9時点)で0.64と1を下回る水準が続き、首都圏・関西圏はともに0.65となっている。

(※)各自治体が公表している数を集計したもの。公表日ベース。

感染状況の分析【地域の動向等】

 ※新規感染者数の数値は、報告日ベースの直近1週間合計の対人口10万人の値。

首都圏(1都3県)

東京では、新規感染者数は減少が続いており、約18。入院者数と重症者数も減少している。病床使用率は3割を切り、重症病床使用率は5割を切る水準。新規感染者に占める60代以上の割合は11%、入院者では32%、重症者では38%。8月以降、入院者や重症者に占める60代以上の割合が増加傾向にあることに注意。自宅療養者・療養等調整中数も減少が続き、約18。埼玉、千葉、神奈川でも、新規感染者数は減少が続いており、それぞれ約16、15、16。病床、重症病床の使用率は減少が続き、特に病床使用率はいずれも約3割。

沖縄

新規感染者数は約47と全国で最も高い水準だが、今週先週比が0.50で、減少が続く一方、未成年の割合が上昇。病床、重症病床の使用率は減少が続いており、いずれも3割台の水準。自宅療養者・療養等調整中数も減少が続き、約58。

関西圏

大阪では、新規感染者数は減少が続いており、約31。入院者数も減少が続いており、病床使用率は3割台の水準。重症者数も減少が続くが、5月のピーク時をやや下回った水準。自宅療養者・療養等調整中数も減少が続き、約38。滋賀、京都、兵庫でも、新規感染者数は減少が続き、それぞれ約10、15、21。いずれも、病床使用率は約3割。夜間滞留人口は、大阪、京都、兵庫、滋賀で増加に転じている。特に、兵庫、滋賀では足元での増加が見られ、新規感染者数の動向に注視が必要。その他、奈良、和歌山でも新規感染者数は減少が続き、それぞれ約15、7。

中京・東海

愛知では、新規感染者数の減少が続いており、約20。入院者数も減少が続いており、病床使用率は3割台の水準。自宅療養者・療養等調整中数も減少が続き、約42。岐阜、静岡、三重でも減少が続き、それぞれ約13、8、8。いずれも、病床使用率は、岐阜、三重で2割台、静岡で1割台の水準。夜間滞留人口は、愛知では増加に転じ、三重では増加が続く。新規感染者数の動向に注視が必要。

北海道

新規感染者数は減少が続き、約8(札幌市約12)。入院者数も減少が続き、重症病床使用率は2割を切る水準が継続。

九州

福岡では、新規感染者数は減少が続き、約13。入院者数も減少が続き、重症病床使用率は2割を切る水準が継続。夜間滞留人口は、増加に転じており、新規感染者数の動向に注視が必要。その他九州各県では新規感染者数の減少が続いている。

その他地域
  • 緊急事態措置対象地域:茨城、栃木、群馬、広島では、新規感染者数は減少が続き、それぞれ約11、12、9、10。病床使用率は、茨城、栃木、群馬で2割台、広島で1割台の水準。夜間滞留人口は、群馬では増加に転じ、栃木では増加が続く。新規感染者数の動向に注視が必要。
  • 重点措置対象地域:宮城、福島、石川、岡山、香川では、新規感染者数の減少が続き、それぞれ約7、3、6、5、4。

今後の見通しと必要な対策

  • 今回の感染拡大はデルタ株の影響や夏休みなどの影響によると考えられるが、これまで市民や事業者の感染対策への協力、夜間滞留人口の減少、ワクチン接種率の向上、医療機関や高齢者施設でのクラスター感染の減少などにより、緊急事態措置区域及びまん延防止等重点措置区域を含め、全国的に感染者数の急速な減少が続いている。これにより、療養者数や重症者数も着実に減少し、医療提供体制・公衆衛生体制は改善傾向にある。
  • 今後もワクチン接種が更に進むことによる効果が期待される一方、9月の連休における移動の増加や大学等の学校再開などにより普段会わない人との接触機会が再び増えることや、感染者数が減少したことに伴う安心感が人々の行動変容につながることで接触機会が増えることにより、新規感染者数のリバウンドにつながる懸念もあり、これを注視していく必要がある。
  • これまでの全国的な感染拡大により、医療提供体制・公衆衛生体制に大きな負荷がかかった。なお多くの重症者がいる地域もあり、一般医療への制限も伴っていることを踏まえれば、必要な対策を徹底してできるだけ感染者数を減少させることが必要。また、対策の緩和を検討する際には、地域の状況に応じた段階的な対応を図ることが求められる。さらに、感染リスクの高い場所において感染が循環・維持される可能性があるため、そのような場における対策を徹底することが必要。
  • 引き続き、ワクチン接種を進めることが求められるが、それに伴い感染者の病態像は変化しつつあり、今後の感染再拡大に備え、それに適合した医療提供体制・公衆衛生体制の強化を進めることが求められる。また、ワクチン接種が先行する海外において、感染が再拡大している事例にも留意する必要がある。なお、この秋冬のインフルエンザ流行を見据えた準備も必要。
★基本的な感染対策の徹底を

既にワクチンを接種した方も含め、外出せざるを得ない場合も遠出や大勢で集まることを避け、混雑した場所や時間など感染リスクが高い場面を避けること。改めて、正しいマスクの着用、手指衛生、ゼロ密(1つの密でも避ける)や換気といった基本的感染防止策のほか、業種別ガイドラインの再徹底、職場での感染防止策の継続、従業員がワクチンを受けやすい環境の提供、会議の原則オンライン化とテレワーク推進を徹底すること。引き続き、ワクチン接種を積極的に進めるとともに、少しでも体調が悪ければ検査・受診を行うこと。

★最大限に効率的な医療資源の活用を

地域の医療資源を最大限活用して、一般医療への影響を最小限に抑えつつ、コロナ医療に必要な医療を確保することが求められる。今後も冬に向けて更に厳しい感染状況が生ずるという前提で、地域全体の医療提供体制の在り方の整理や臨時の医療施設・入院待機施設の整備、自宅・宿泊療養の体制強化、医療人材確保の仕組みの構築などについて、早急に対策を進める必要があること。

 

感染状況分析・評価グラフ等 

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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