年齢別の麻疹、風疹、MMRワクチン接種率  
   本ページの接種率情報は厚生労働省が、地方衛生研究所と国立感染症研究所との密接な連携のもとに毎年実施している、感染症流行予測調査事業から得られた結果です。
 この事業は、定期接種対象疾患の免疫保有状況および病原体の潜伏状況を把握するために毎年行われています。
 
    (2024年5月16日更新)  
  ■ 2022年度    
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  麻疹、MMRワクチン接種率
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  ■ 2003年度    
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風疹、MMRワクチン接種率
 
  ■ 2002年度    
  麻疹、MMRワクチン接種率
   
IASR Vol.25 2004年3月号「2002年度麻疹血清疫学調査ならびにワクチン接種率調査~感染症流行予測調査より~」
https://idsc.niid.go.jp/iasr/25/289/dj289a.html
 
  ■ 2001年度    
  麻疹、MMRワクチン接種率
風疹、MMRワクチン接種率
 
  ■ 2000年度    
  麻疹、MMRワクチン接種率
風疹、MMRワクチン接種率
 
     
  IASR Vol.22 2001年11月号「 2000年度麻疹血清疫学調査ならびにワクチン接種率調査~感染症流行予測調査より~」https://idsc.niid.go.jp/iasr/22/261/dj2611.html  


予防接種スケジュール (日本の小児における予防接種スケジュール)



↑ 最新のスケジュール

[2011年5月20日~]
20歳未満の方
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[2011年4月1日~]
20歳未満の方
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[2010年4月1日~]
20歳未満の方 ※2010年8月27日改訂更新
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[2010年2月18日~3月31日]
20歳未満の方
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[2009年4月1日~2010年2月17日]
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[2008年4月1日~
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[2007年4月1日~
2008年3月31日]
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[2006年6月2日~
2007年3月31日]
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[2006年4~6月1日]
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予防接種法に関する政省令が改正されました。(2005年7月29日以降)
[2005年7/29~06年3/31]
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[2005年4/1~7/28]
 *結核予防法の改正による。
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[2005年 3/31まで]
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[2004年]
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被災地における麻しんについて

2011年4月15日現在
国立感染症研究所感染症情報センター


 麻しんは「はしか」とも呼ばれ、麻しんウイルス( Paramyxovirus 科 Morbillivirus属)によって引き起こされる感染症で、39℃前後の高熱と、咳・鼻汁・目の充血(カタル症状)、耳介後部から始まって顔面、体、四肢へと広がる赤い発疹を特徴とする全身性疾患です。麻しんウイルスに対して免疫を持たない者が感染した場合、典型的な臨床経過としては10~12日間の潜伏期を経て発症し、カタル期(2~4日間)、発疹期(3~5日間)、回復期へと至ります。発生頻度は低いものの、麻しん脳炎(麻しん患者1,000人に1人)や、罹患後7~10年の期間を経て発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE、麻しん患者10万人に1人)などの重篤な合併症になったりします。また麻しん肺炎は比較的多い(麻しん患者10人に1~2人)合併症で麻しん脳炎とともに2大死亡原因といわれていますが、先進国であっても1,000人に1人の割合で死亡する可能性があります。麻しんは感染力が強く、接触感染、飛沫感染、空気感染(飛沫核感染)のいずれの感染経路でも感染し、発症した場合に麻しんに特異的な治療方法はありませんので、症状を和らげる治療をしながら回復を待つしか手立てがありません。唯一の有効な予防方法はワクチンの接種によって麻しんに対する免疫を予め獲得しておくことです。1歳以上で1回もワクチンを受けていない場合は、可及的速やかに受けておくことをお勧めいたします。2回のワクチンを受けていればまず罹らずにすみますので、第2期、第3期、第4期の対象者の方はできるだけ早く受けておくと良いでしょう。

 2011年3月11日の震災発生以降、日本全国はもとより外国からも多くの救援隊や医療関係者、報道関係者等が被災地へ駆けつけていますが、そのような状況のなか、4月になり外国人ジャーナリストが日本国内で麻疹を発症し、都内や近隣の被災地で取材活動を続けていたことがわかりました。

 今後も被災地には、海外からの者も含めて人の出入りが続き、国内外から麻しんが持ちこまれる可能性があります。麻しん患者が発生した際には関係自治体と速やかに情報共有し、疫学調査を行い感染拡大防止を実施する事が重要です。また、被災地や避難所のある地域においては、麻しん風しん混合ワクチンの定期接種(第1期:1歳、第2期:小学校入学前1年間、第3期:中学1年生、第4期:高校3年生相当年齢の者)が確実に実施できる体制を速やかに確保することが必要でしょう。

 【参考:日本における麻しん輸入例および輸入関連症例の疫学】

 2011年は第13週までの麻しん報告数93例中、輸入例および輸入関連症例は26例(28%)を占めています(麻疹速報グラフ第13週、図6https://idsc.niid.go.jp/disease/measles/2011pdf/meas11-13.pdf)。また、2009年~11年における輸入例・輸入関連症例の年齢中央値はそれぞれ1.5歳、11歳、6歳であり、麻しんワクチン接種の機会を待機していた年齢層と一致します(表1)



表1.日本における麻しん輸入例および関連症例*
2009年
2010年
2011年
(第13週まで
4月6日現在)
累積報告数
739
450
93
輸入例
(n、累積報告数に占める割合%)
18(2.4)
33(7.3)
26(28.0)
臨床診断例
(n、輸入例に占める割合%)
1(5.6)
9(27.3)
3(11.5)
検査診断例:IgM抗体価のみ
(n、同)
16(88.9)
10(30.3)
1(3.8)
検査診断例:遺伝子型判明例 
(n、同)
2(5.6)
18(51.4)
17(65.3)
年齢中央値 
(歳、範囲)
1.5(0~37)
11(1~36)
6(0~44)
* 輸入例とは推定感染地域が国外の症例。関連症例とは、輸入例と疫学的関連が示唆される症例。

詳細については以下の「麻疹」のサイトの各種記事をご参照ください。
https://idsc.niid.go.jp/disease/measles/index.html

(2011年4月15日 IDSC 更新)

* 情報は日々更新されています。各ページごとにブラウザの「再読み込み」「更新」ボタンを押して最新の情報をごらんください


被災地における麻しんについて(第2報)

2011年4月20日現在
国立感染症研究所感染症情報センター


※被災地における麻しんについて(第1報)はこちら
 麻しんは「はしか」とも呼ばれ、麻しんウイルス(Paramyxovirus 科 Morbillivirus 属)によって引き起こされる感染症で、39℃前後の高熱と、咳・鼻汁・目の充血(カタル症状)、耳介後部から始まって顔面、体、四肢へと広がる赤い発疹を特徴とする全身性疾患です。麻しんウイルスに対して免疫を持たない者が感染した場合、典型的な臨床経過としては10~12日間の潜伏期を経て発症し、カタル期(2~4日間)、発疹期(3~5日間)、回復期へと至ります。発生頻度は低いものの、麻しん脳炎(麻しん患者1,000人に1人)や、罹患後7~10年の期間を経て発症する亜急性硬化性全脳炎(SSPE、麻しん患者10万人に1人)などの重篤な合併症になったりします。また麻しん肺炎は比較的多い(麻しん患者10人に1~2人)合併症で麻しん脳炎とともに2大死亡原因といわれていますが、先進国であっても1,000人に1人の割合で死亡する可能性があります。麻しんは感染力が強く、接触感染、飛沫感染、空気感染(飛沫核感染)のいずれの感染経路でも感染し、発症した場合に麻しんに特異的な治療方法はありませんので、症状を和らげる治療をしながら回復を待つしか手立てがありません。唯一の有効な予防方法はワクチンの接種によって麻しんに対する免疫を予め獲得しておくことです。1歳以上で1回もワクチンを受けていない場合は、可及的速やかに受けておくことをお勧めいたします。2回のワクチンを受けていればまず罹らずにすみますので、第2期、第3期、第4期の対象者の方はできるだけ早く受けておくと良いでしょう。

 2011年3月11日の震災発生以降、日本全国はもとより外国からも多くの救援隊や医療関係者、報道関係者、ボランティア等が被災地へ駆けつけていますが、そのような状況のなか、4月になり外国人ジャーナリストが日本国内で麻疹を発症し、都内や近隣の被災地で取材活動を続けていたことがわかりました。

 今後も被災地には、海外からの者も含めて人の出入りが続き、国内外から麻しんが持ちこまれる可能性があります。現在、被災地では平常と異なり栄養状態が十分でない方々も少なくなく、麻しんが流行すれば重症の患者さんが通常よりも多く発生することも懸念されます。支援業務やボランティアに携わる方々は、麻しんの罹患歴・接種歴が不明な場合にはワクチンを接種してから行くこと、体調が思わしくない場合には被災地へ行かないこと、被災地で体調が悪くなった場合には、活動を控えることを徹底して下さい。

 麻しん患者が発生した際には関係自治体と速やかに情報共有し、疫学調査を行い感染拡大防止を実施する事が重要です。また、被災地や避難所のある地域においては、麻しん風しん混合ワクチンの定期接種(第1期:1歳、第2期:小学校入学前1年間、第3期:中学1年生、第4期:高校3年生相当年齢の者)が確実に実施できる体制を速やかに確保することが必要でしょう。

 【参考:日本における麻しん輸入例および輸入関連症例の疫学】

 2011年は第13週までの麻しん報告数93例中、輸入例および輸入関連症例は26例(28%)を占めています(麻疹速報グラフ第13週、図6https://idsc.niid.go.jp/disease/measles/2011pdf/meas11-13.pdf)。また、2009年~11年における輸入例・輸入関連症例の年齢中央値はそれぞれ1.5歳、11歳、6歳であり、麻しんワクチン接種の機会を待機していた年齢層と一致します(表1)



表1.日本における麻しん輸入例および関連症例*
2009年
2010年
2011年
(第13週まで
4月6日現在)
全体の累積報告数
739
450
93
輸入例および関連症例
(n、累積報告数に占める割合%)
18(2.4)
33(7.3)
26(28.0)
臨床診断例
(n、輸入例に占める割合%)
1(5.6)
9(27.3)
3(11.5)
検査診断例:IgM抗体価のみ
(n、同)
16(88.9)
10(30.3)
1(3.8)
検査診断例:遺伝子型判明例 
(n、同)
2(5.6)
18(51.4)
17(65.3)
年齢中央値 
(歳、範囲)
1.5(0~37)
11(1~36)
6(0~44)
* 輸入例とは推定感染地域が国外の症例。関連症例とは、輸入例と疫学的関連が示唆される症例。

詳細については以下の「麻疹」のサイトの各種記事をご参照ください。
https://idsc.niid.go.jp/disease/measles/index.html

(2011年4月20日 IDSC 更新)

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感染症発生動向調査週報の「読者のコーナー」にご寄稿をいただいた文書を掲載しています(IDWR 2011年第14号掲載予定)。
欧州からの輸入と考えられた麻疹症例

2011年4月20日現在


症例 30代 男性

【主訴】
 発熱、咽頭痛、咳嗽、全身の発疹



【現病歴】
 生来健康。2011年3月下旬にフランス国内のスキー場へ行った際に発熱、発疹を呈する小児と接触した。3月30日、震災関連の取材のため、単身来日した。4月4日より悪寒、発熱、咽頭痛、咳嗽が出現し、都内滞在先の近医を受診した。抗菌薬などの処方を受けたが、症状は改善しなかった。4月6日、頭部から全身に拡がる発疹が出現した。4月7日、再度同医を受診したところ、麻疹が疑われ、当科に紹介、入院となった。



【予防接種歴】
 家庭の方針で麻疹含有ワクチンを含めて接種を受けていない。



【入院時現症】
 意識清明、血圧110/60mmHg、心拍数90回/分、体温37.5℃(解熱薬内服後)、SpO2=95%(室内気)、頻呼吸なし
 結膜充血あり、頬粘膜にKoplik斑あり、咽頭発赤あり、全身に癒合傾向のある紅斑性小丘疹あり、呼吸音清



【検査所見(入院時)】
 白血球2960/μl,赤血球488万/μl,血小板11.1万/μl,AST 37 IU/l,ALT 26 IU/l,LDH 289 IU/l(基準値119-229 IU/l),CRP 4.88 mg/dl,麻疹特異的 IgM抗体 12.87(カットオフ値0.8),麻疹特異的IgG抗体 4.8(カットオフ値2.0)
 咽頭ぬぐい液(4月8日採取) 麻疹ウイルス遺伝子型D4陽性(RT-PCR)
 胸部X線:明らかな異常陰影を認めず



【入院後経過】
 4月8日、保健所に麻疹発生届(臨床診断)を提出した。さらに、当日保健所から来院した医師・保健師に麻疹ウイルス遺伝子検査のための検体を提出した。同医師・保健師らにより本人同意の下、発症前後の詳細な行動や接触者について聴き取り調査も合わせて行われた。入院3日目には解熱し、Koplik斑は消失、発疹は色素沈着の傾向を示した。その後、合併症の兆候を認めなかったため、入院5日目に退院とした。

【考察】
 本症例は、発症前10日前後にフランスで同症状者との接触歴があることや分離された麻疹ウイルスの遺伝子型が欧州で多いD4であることから、同地域からの輸入と考えられた。D4型麻疹ウイルスによる麻疹の発生については、2011年に入り、わが国でこれまで3件の報告がある。これらはいずれも欧州での曝露が疑われている(IDWR13:6-7,2011https://idsc.niid.go.jp/idwr/kanja/idwr/idwr2011/idwr2011-13.pdf)。日本での麻疹の予防接種率増加に伴い、国内での麻疹発生の抑制は期待されるが、逆に輸入感染症として対応する機会が増加することが予想される。実際、2011年1~2月には広島県内において、海外からの輸入麻疹およびそれに引き続く関連患者の発生が報告されている(IASR速報 4/5掲載 https://idsc.niid.go.jp/iasr/measles.html)。

 2012年の麻疹排除という目標に向けて、昨年11月から麻疹症例について、確定診断のためにウイルスの遺伝子検査(血液・尿・咽頭ぬぐい液)が積極的に行われるようになった(http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou21/tsuuchi_101111_01.html)。医療機関にはこれまで以上に、速やかな届出と保健所との緊密な連携が求められている。麻疹輸入例の相対的な増加を認識し、渡航歴があり、発熱、咳嗽、発疹のある患者では麻疹も疑う必要がある。

 本症例における行動調査では、来日後被災地の避難所には行っていなかった。感染性があると考えられる期間には、短時間茨城県に滞在したほか、都内にいたことがわかっている。なお、移動には公共交通機関を利用していた。自然災害後に感染症が流行するリスクは一般に低いと考えられるが、今後も被災地への麻疹等の持ち込みには注意が必要と考える。しかし、麻疹の輸入は今後も避けられない面があり、医療施設内や地域での伝播を防ぐには、予防接種率を高めておく必要がある。




(独)国立国際医療研究センター 国際疾病センター
   新藤琢磨、加藤康幸、山元佳、氏家無限、竹下望、金川修造



参考文献
Floret N, et al. Negligible risk for epidemics after geophysical disasters. Emerg Infect Dis 2006; 12:543-548
(2011年4月21日 IDSC 更新)

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[ロゴのコンセプト]

 子供を中心に据え,その子を周りにいる大人が愛で包み込む。左に家族を,右に周りにいる社会の一員をイメージして配し,ハート形のシルエットで子供を抱いています。

 2本の青いラインは,『はしかにならない,はしかにさせない』という強い思いをシャープなラインで表現しています。

 そして,これらの気持ちがひとつになって,社会全体が大きな輪となり,私たちみんなの力で,子供を,そして社会全体をはしかから守ろう!2012年 はしかをゼロに!という方向へエネルギーが向かっていくことをイメージしています。
   


 







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(2008/10/17 掲載)
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