(IASR Vol. 42 p288-289: 2021年12月号)
類鼻疽(メリオイドーシス)は, 歴史的には主にオーストラリア北部やタイなどの東南アジア地域で患者が確認されてきたが, この数十年で地理的範囲は大幅に拡大しており, 世界的には年間16万以上の患者が発生していると推定されている。また, 患者の発生状況や環境培養の結果から, 中南米, カリブ海, メキシコの一部, テキサス州などの米大陸の一部でBurkholderia pseudomalleiが環境中に常在していることが疑われている。一方, これまでに米国で報告されたほぼすべての患者は, 米国本土以外の感染症流行地域に居住または渡航したことと関連がある。