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注目すべき感染症 ◆ 風しん2012年第1~27週 (2012年7月11日現在) 都道府県別の累積報告数は兵庫県146例、大阪府128例、東京都118例、神奈川県40例、京都府21例、埼玉県16例、千葉県15例、福岡県13例、沖縄県12例、愛知県11例の順であり(風しん速報図4)、人口100万人当たり報告数でみると、兵庫県26.1、大阪府14.4、東京都9.0、沖縄県8.6、京都府8.0、奈良県5.0の順であった(風しん速報図8)。性別では、男性460例(77%)、女性134例で男性が女性の3.4倍報告されており(風しん速報図5、6)、年齢については男性の年齢中央値32.5歳(Q1-Q3*:24.0-39.0)、女性の年齢中央値24.0歳(Q1-Q3:18.0-35.0)であった。20歳以上の症例の占める割合は、男性が385例(385/460=83.7%)、女性で88例(88/134=65.7%)であった(風しん速報図6)。さらに女性のうち、15~44歳をいわゆる「出産年齢」とすると、この年齢群に含まれる女性は99例で、女性全体の74%を占めていた。ワクチン接種歴については接種歴の無い症例が男性で25%、女性で32%であった(風しん速報図5)。感染地域は588例(99%)が国内感染、国外での感染1例(中国)、国内または国外での感染5例〔茨城県/米国1例、東京都/中国1例、国内(都道府県不明)/フィリピン1例、国内/国外不明2例〕であった(風しん速報図7)。流行している地域では、学校内、職場・施設内での集団発生が報告されており、報告数が少ない地域でも、妊婦や妊婦の家族での感染、同僚に妊婦がいる成人での感染が報告されている。(*第1四分位数‐第3四分位数:つまり対象集団の半分がこの数字の間に含まれる) 現在、風しんの報告は、関東地方、沖縄県など、関西地方以外でも増加している。これらのどの地域においても、報告例の性別・年齢の傾向は全国的なものと同様であり発生の中心は成人男性である。一方で、女性の症例のみをみると、出産年齢とされる年代が74%を占めており、先天性風しん症候群(congenital rubella syndrome:CRS)が発生するリスクが非常に危惧される状況である。産褥期を含め今後妊娠を希望する女性や、その家族などの成人の方も、風しんの罹患歴や接種歴がない、または不明な場合には積極的に風しん含有ワクチン接種を受けることを検討していただきたい。 また、これから夏季休暇を迎えるに当たり、海外旅行を計画している方々も少なくないと思われる。海外での風しん・麻しん感染を予防するためにも、定期接種対象者はもちろん、そうでない場合も、ワクチン接種を検討していただきたい(参照:2012年夏休み期間中における海外での感染症予防について ○風しん(先天性風しん症候群を含む)と麻しんのこれまでの発生状況や疾患の説明は、それぞれ、
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