国立感染症研究所

国立感染症研究所 感染症疫学センター
2022年1月14日現在
(掲載日:2022年4月7日)

 

梅毒は梅毒トレポネーマによる感染症で、その母子感染は、流産、死産のリスクに加え、児が出生した場合も出生時の低体重や先天梅毒のリスクがある。梅毒の母子感染は妊娠中の早期発見と適切な治療を行うことで防ぐことができる。世界保健機関(WHO)は梅毒母子感染の排除を目標に掲げており、各国とも対策を進めている(WHOの梅毒母子感染排除基準は10万出生当たり50例未満と規定されている)1)

我が国では、2014年頃から異性間の男女における梅毒症例報告が増加した2)3)4)。これに平行して先天梅毒の報告も増加傾向を示している5)6)。平成31年(2019年)1月1日から梅毒の届出様式が変更され、妊娠の有無、直近6か月以内の性風俗産業の従事歴の有無が届出内容に加えられた7)。今回、感染症発生動向調査事業年報の2019年および2020年のデータを使用し8)9)、女性梅毒症例のうち「疾病共通備考欄」あるいは「その他事項」欄に「妊娠」の文字列が含まれる症例を抽出し、「妊娠あり」の症例についてまとめた。

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