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抗ヘルペスウイルス薬による水痘・帯状疱疹の治療

(IASR Vol. 39 p144-145: 2018年8月号)

水痘・帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus: VZV)に対する抗ヘルペスウイルス薬には, 核酸アナログであるアシクロビル, バラシクロビル(アシクロビルのプロドラッグで消化管から吸収された後アシクロビルとなる)およびファムシクロビル(ペンシクロビルのプロドラッグで消化管から吸収された後ペンシクロビルとなり, 帯状疱疹にのみ適用)が使用されている()。これらの抗ウイルス薬は, ウイルスが増殖する際に発現されるチミジンリン酸化酵素と細胞由来のリン酸化酵素で最終的に三リン酸化される。この三リン酸体がウイルス遺伝子合成を阻害することにより抗ヘルペスウイルス活性を発揮する。また, 最近, 新たな機序の抗ヘルペスウイルス薬として, ヘリカーゼ・プライマーゼ阻害薬であるアメナメビル(後述)が, 帯状疱疹に対する治療薬として承認販売された()。

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