図1に, 主要なリケッチア属25種に共通して保存される632遺伝子の配列を用いて作成した系統樹を示す。リケッチア属は, 遺伝系統や引き起こす疾患などから, spotted fever group(SFG), typhus group(TG), ancestral group(AG)などに分けられ, 日本紅斑熱リケッチアはSFGに属する。リケッチアでは多数の菌種が次々と提唱されており, その分類に関しては問題も多く, 様々な議論がある。特にSFGでは多くの菌種が提唱されているが, 日本紅斑熱リケッチアと最も近縁なものは, 日本でも患者が報告された極東紅斑熱リケッチア(Rickettsia heilongjiangensis)である。