IASR-logo

山形県内におけるマダニの紅斑熱群リケッチア調査

(IASR Vol. 41 p139-141: 2020年8月号)

はじめに

日本紅斑熱患者は, 西日本を中心として東日本でも散見され, 山形県に隣接する新潟県でも患者が報告されている。また, Rickettsia japonicaが含まれる紅斑熱群リケッチア(spotted fever group rickettsia:SFGR)という視点でみると, 山形県の東に位置する宮城県でR. heilongjiangensisによる極東紅斑熱国内感染例が報告されている他, R. helvetica, R. tamuraeによる国内症例も報告されている1)。このように, マダニ媒介性のリケッチア感染症は多様であり, 国内においてR. japonicaを含むSFGRの浸淫状況を把握することは重要と考えられる。そこで, 我々は山形県内で採取したマダニを対象としてSFGRの調査を行った2)

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan