国立感染症研究所

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日本のHIV感染者・AIDS患者の状況
(平成24年6月25日~9月30日)

(Vol. 33 p. 339-341: 2012年12月号)

平成24年11月22日
厚生労働省健康局疾病対策課
第131回エイズ動向委員会委員長コメント

《平成24年第3四半期》
【概要】
1.今回の報告期間は平成24年6月25日~平成24年9月30日までの約3か月

2.新規HIV感染者報告数は273件(前回報告225件、前年同時期265件)。そのうち男性259件、女性14件で、男性は前回(215件)および前年同時期(251件)より増加、女性は前回(10件)より増加、前年同時期(14件)と同数。

3.新規AIDS患者報告数は111件(前回報告115件、前年同時期108件)。そのうち男性104件、女性7件で、男性は前回(105件)および前年同時期(105件)より減少、女性は前回(10件)より減少、前年同時期(3件)より増加。

4.HIV感染者とAIDS患者を合わせた新規報告数は 384件。

【感染経路・年齢等の動向】
1.新規HIV感染者:
○同性間性的接触によるものが 205件(全HIV感染者報告数の約75%)。
○異性間性的接触によるものが46件(全HIV感染者報告数の約17%)。そのうち男性35件、女性11件。
○静注薬物によるものは1件。
○年齢別では、20~30代が多い。

2.新規AIDS患者:
○同性間性的接触によるものが54件(全AIDS患者報告数の約49%)。
○異性間性的接触によるものが32件(全AIDS患者報告数の約29%)。そのうち男性29件、女性3件。
○静注薬物によるものは2件。
○年齢別では、40歳以上が65%であった。

【検査・相談件数の概況(平成24年7月~9月)】
1.保健所におけるHIV抗体検査件数(速報値)は24,491件(前回報告25,930件、前年同時期24,813件)、自治体が実施する保健所以外の検査件数(速報値)は6,924件(前回報告7,336件、前年同時期6,544件)。

2.保健所等における相談件数(速報値)は37,015件(前回報告39,418件、前年同時期40,886件)。
HIV抗体検査件数はほぼ横ばいであり、相談件数は前回および前年同時期に比し減少傾向であった。

【献血の概況(平成24年1月~9月)】
1.献血件数(速報値)は、3,942,718件(前年同時期速報値3,936,332件)。

2.そのうちHIV抗体・核酸増幅検査陽性件数(速報値)は56件(前年同時期速報値70件)。10万件当たりの陽性件数(速報値)は、1.420件(前年同時期速報値1.778件)。

《まとめ》
1.AIDS患者数はほぼ横ばいであるが、HIV感染者数は前回より増加している。

2.早期発見は個人においては早期治療、社会においては感染の拡大防止に結びつくので、HIV抗体検査・相談の機会を積極的に利用していただきたい。

3.社会におけるHIV/エイズへの関心が希薄になっている。12月1日は世界エイズデーであり、厚生労働省や自治体等において、「“AIDS” goes on... ~エイズは続いている~」をテーマに、世界エイズデーに合わせたキャンペーンが予定されている。国民の皆様にはこの機会を通じて、HIV/エイズに関心をもっていただきたい。

 

 

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