A Novel DNA Chromatography Method to Discriminate Mycobacterium abscessus Subspecies and Macrolide Susceptibility.
Mitsunori Yoshida, Sotaro Sano, Jung-Yien Chien, Hanako Fukano, Masato Suzuki, Takanori Asakura, Kozo Morimoto, Yoshiro Murase, Shigehiko Miyamoto, Atsuyuki Kurashima, Naoki Hasegawa, Po-Ren Hsueh, Satoshi Mitarai, Manabu Ato, Yoshihiko Hoshino
非結核性抗酸菌症のうち、難治性の肺MABC症の原因菌には3つの亜種が存在する。亜種によりマクロライドに対する感受性が異なり、予後が異なることが報告されているため、亜種鑑別やマクロライド反応性の予測が臨床上重要である。我々はMABC臨床分離株のゲノム解析を行い、3亜種それぞれに特異的な配列部位およびマクロライド誘導耐性を示さない菌株群に特異的な配列部位を見出した。
これらの部位を遺伝的な目印として検出することで、3亜種の鑑別とマクロライド治療奏功性を予測できるようにした。この検出に(株)カネカのDNAクロマトグラフィー法(図)を応用し、1時間程度で3亜種と誘導マクロライド耐性の有無を鑑別する方法を開発した。本DNAクロマトグラフィー法とゲノム情報による鑑別結果の一致率は99.7%であった。
本研究は国立研究開発法人日本医療研究開発機構(AMED)「新興・再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業」の支援によって行われた。
詳細は国立研究開発法人日本医療研究開発機構 (AMED)の当該ページにも記載がある。
(図)代表的なDNAクロマトグラフィーの結果
T1とT2のラインで薬剤感受性を鑑別し、T3、T4、T5のラインでMABC3亜種の鑑別を行なう