国立感染症研究所



vir 2021 6The physiological TMPRSS2 inhibitor HAI-2 alleviates SARS-CoV-2 infection

Yuriko Tomita, Shutoku Matsuyama, Hideo Fukuhara, Katsumi Maenaka, Hiroaki Kataoka, Takao Hashiguchi, Makoto Takeda

Journal of Virology (March 31, 2021) DOI: 10.1128/JVI.00434-21

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が効率よく感染するためには、ウイルスのスパイクタンパク質が、ヒトの細胞上にあるTMPRSS2という酵素で切断(開裂)されなければなりません。すなわちTMPRSS2の活性はSARS-CoV-2の感染に非常に重要です。しかし、TMPRSS2の生理的な活性制御やSARS-CoV-2感染との関連については、よくわかっていませんでした。今回の研究では、一部の生体内タンパク質分解酵素に対する生理的阻害物質HAI-2(hepatocyte growth factor activator inhibitor 2)がSARS-CoV-2の感染抑制因子であることを発見しました。本研究の成果は、HAI-2がSARS-CoV-2を生理的にも抑えている可能性を示しています。今後のSARS-CoV-2感染症(COVID-19)の病態解明のための研究、創薬へ向けた研究に大いに役立つ成果です。本研究は、日本医療研究開発機構(AMED)ならびにJSPS科研費の助成を受けて成されました。(本論文は、Journal of Virologyのエディターが選ぶSpotlight論文に選ばれました)

 

Increased risk of rhinovirus infection in children during the coronavirus disease-19 pandemic.

vir 2020 14Emi Takashita, Chiharu Kawakami, Tomoko Momoki, Miwako Saikusa, Kouhei Shimizu, Hiroki Ozawa, Makoto Kumazaki, Shuzo Usuku, Nobuko Tanaka, Ichiro Okubo, Hiroko Morita, Shiho Nagata, Shinji Watanabe, Hideki Hasegawa, Yoshihiro Kawaoka

Influenza and Other Respiratory Viruses, 2021

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)流行下では、すべての年齢層で、インフルエンザをはじめとする代表的な呼吸器感染症ウイルスの検出率が低下していました。一方、10歳未満の小児では、COVID-19の流行拡大後も新型コロナウイルスはほとんど検出されませんでしたが、ライノウイルスの検出率が著しく上昇し、例年の2倍以上となりました。本研究により、COVID-19流行下で10歳未満の小児のライノウイルス感染リスクが上昇したことが明らかになりました。

A multicenter non-randomized, uncontrolled single arm trial for evaluation of the efficacy and the safety of the treatment with favipiravir for patients with severe fever with thrombocytopenia syndrome.

vir 2020 14Suemori K, Saijo M, Yamanaka A, Himeji D, Kawamura M, Haku T, Hidaka M, Kamikokuryo C, Kakihana Y, Azuma T, Takenaka K, Takahashi T, Furumoto A, Ishimaru T, Ishida M, Kaneko M, Kadowaki N, Ikeda K, Sakabe S, Taniguchi T, Ohge H, Kurosu T, Yoshikawa T, Shimojima M, Yasukawa M

PLoS Negl Trop Dis 15(2): e0009103, 2021

重症熱性血小板減少症候群(severe fever with thrombocytopenia syndrome, SFTS)はブニヤウイルスであるSFTSウイルス[ダビエバンダウイルス(Dabie bandavirus),フェヌイウイルス科バンダウイルス属]によるウイルス性出血熱に分類されるべき全身性ウイルス感染症です.マダニ(日本ではフタトゲチマダニとタカサゴキララマダニ)が媒介する感染症で,中国,韓国,日本,台湾,ベトナムで患者が報告されています.

SARS-CoV-2 D614G spike mutation increases entry efficiency with enhanced ACE2-binding affinity.

vir 2020 14Seiya Ozono, Yanzhao Zhang, Hirotaka Ode, Kaori Sano, Toong Seng Tan, Kazuo Imai, Kazuyasu Miyoshi, Satoshi Kishigami, Takamasa Ueno, Yasumasa Iwatani, Tadaki Suzuki & Kenzo Tokunaga

Nature Communications. (2021) Feb 8; 12:848 DOI:https://doi.org/10.1038/s41467-021-21118-2

我々が先頃樹立したレンチウイルスベクター系(Ozono et al., J Biol Chem, 2020)を用いて、新型コロナウイルスのスパイク(S)蛋白質(SARS2-S)によるシュードウイルスの感染効率を検討した。

国立感染症研究所において、空港検疫により確認された新型コロナウイルス感染症の患者等の検体を用いてウイルス分離試験を実施したところ、英国から報告された感染性の増加が懸念されるSARS-CoV-2新規変異株VOC-202012/01のウイルス分離に成功しました(写真:電子顕微鏡観察により確認されたウイルス粒子)。国立感染症研究所では、分離したウイルスを用いて、SARS-CoV-2変異株VOC-202012/01の性状・病原性の解析およびウイルス検査法・抗ウイルス薬・ワクチンの研究開発を進めていきます。また、分離した変異株は、新型コロナウイルス対策に役立てるため国内外の研究機関等に広く配布する予定です。

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SARS CoV2 20210108 1

 

SARS CoV2 20210108 2

電子顕微鏡画像は、利用規約を守っていただければ、当研究所への問い合わせ等をせずに自由にお使いになれます。

Efficient detection of SARS-CoV-2 RNA in the solid fraction of wastewater.

vir 2020 14Kouichi Kitamura, Kenji Sadamasu, Masamichi Muramatsu, Hiromu Yoshida.

Science of The Total Environment, Article 144587

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)感染状況を把握する上で、環境サーベイランスの活用が検討されています。このウイルスが一定割合で感染者の糞便中に存在し下水でも検出されることが報告されていますが、その最適な手法はまだ確立されていません。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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