国立感染症研究所

令和6年12月25日改訂
国立感染症研究所

エムポックスは、モンキーポックスウイルス(別名 エムポックスウイルス:MPXV、以後エムポックスウイルスと表記)感染による急性発疹性疾患である。自然宿主はアフリカ大陸に生息するげっ歯類が疑われているが、現時点では不明である。感染症法では4類感染症に位置付けられている。もともとアフリカ中央部から西部にかけて発生報告があり、欧米でも常在地域からの渡航者等での感染事例が散発的に報告されていたが、2022年5月以降は主に男性間での性的接触を行う男性(Men who have sex with men: MSM)を中心としたクレードIIエムポックスウイルスによるエムポックスの国際的な流行が発生した。さらに2023年以降はコンゴ民主共和国(DRC)でクレードIのエムポックスウイルスの流行が報告された。その後DRC東部を中心に家庭内感染、異性間の性交渉などによるクレードIbエムポックスウイルスの流行が発生し、周辺国への拡大が報告されるとともに、欧米やアジアでも流行地からの渡航者での感染例が報告されている。症状は発熱と皮疹を主体とし、多くは2−4週間で自然に回復するが、免疫不全がある場合や小児においては重症化リスクが高く、死亡した症例の報告もある。

国立感染症研究所では適宜最新情報を取りまとめて報告していることから、最新の知見については関連文書を参照のこと。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

Top Desktop version