国立感染症研究所

(2021年12月9日改訂)

波状熱やマルタ熱として知られるブルセラ症(Brucellosis)は、ブルセラ属菌(Brucella spp.)による人獣共通感染症である。世界的に注目されたのは、19世紀中頃のクリミア戦争でマルタ熱が流行したことによるが、紀元前400年頃のヒポクラテス著「Of the Epidemics」にブルセラ症と思われる疾患がすでに記載されており、ヤギなどの家畜化に伴い古くから流行していたと考えられる。現在でも、特に食料や社会・経済面で家畜への依存度が強く、家畜ブルセラ病が発生している国や地域を中心に、多くの患者が発生している。

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