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当初蚊媒介感染症が疑われた発疹熱輸入事例―川崎市

(IASR Vol. 38 p.121-123: 2017年6月号)

発疹熱は, 主にネズミノミが媒介する発疹熱リケッチア(Rickettsia typhi)を原因とする感染症で, 発熱, 頭痛, 発疹, 関節痛などの症状を引き起こす。世界各地で散発的な発生が確認されているが, 国内における感染発症例は稀で1), 2013年の兵庫県からの報告が最後となっており2), 海外からの輸入例は2003年以降でも限定的である3-8)。2016年に川崎市において, 東南アジアへの渡航歴があり, 当初ジカウイルス感染症が疑われた患者からR. typhiが検出されたので, その概要を報告する。

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