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山梨県峡東保健所管内で発生した百日咳集団発生事例, 2017年

(IASR Vol. 40 p9-10: 2019年1月号)

百日咳はこれまで感染症法5類感染症の小児科定点把握疾患であったが, 国内サーベイランスの精度向上のため, 2018年1月より全数把握対象疾患に変更されるとともに届出基準に検査診断が加わった。施行規則変更直前の2017年12月, 山梨県峡東保健所管内で小中学生を中心とした百日咳アウトブレイクが発生した。そこで, 現地医療機関の協力のもと, 峡東保健所ならびに国立感染症研究所 (感染研) が現地調査にて患者情報および診断根拠に関する情報収集を行った。また, 百日咳疑い患者の後鼻腔スワブ検体が得られた症例に関しては, 感染研にて病原体検索を行った。施行規則の大幅な変更により, 医師の届出に混乱が生じることが事前に予想されたため, 本調査で得られた情報をもとに新しいサーベイランスの導入に向けて注意すべき点を検討した。

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