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麻疹疑い症例の遺伝子検査とIgM抗体検査の併用の必要性―沖縄県の麻疹アウトブレイク事例からの考察

(IASR Vol. 42 p189-190: 2021年9月号)

 

 本邦では, 「麻しんに関する特定感染症予防指針」において, 原則麻疹疑い全例に対して麻疹ウイルス遺伝子検査による検査診断と, 医師に対しては麻疹特異的IgM抗体検査の実施を求めている。2018年の沖縄県における麻疹アウトブレイク発生時1,2), 当所に搬入された麻疹疑い全例(578例)に遺伝子検査を実施した。そのうち, 約80%が遺伝子検査により麻疹が否定されたが, 一方で遡及調査によりそれらの中にIgM抗体陽性例が確認された。今回, 遺伝子検査で診断された症例に対するIgM抗体検査の結果, ならびに麻疹ウイルス以外のウイルス検出について検討したので報告する。

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