IASR-logo

海外の麻疹2020年の流行状況について

(IASR Vol. 42 p183-184: 2021年9月号)

 

 世界保健機関(WHO)に報告された, 2020年の麻疹症例報告数1)は93,922例で, 2019年の1/5以下にまで減少した(2019年:519,490例)。本年2021年における症例報告数はさらに減少しており, 6月までの報告数は18,173例となっている。しかしながら新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミックの影響により, ワクチン接種キャンペーンを実施または予定していた26カ国, 9,400万人以上の人々が2020年11月までにワクチン接種の機会を逸しており, キャンペーンの再開が遅れている国・地域では, 今後感染者数の増加が懸念されている。現在流行しているウイルスの遺伝子型のほとんどがB3型, またはD8型で, インドではD4型も検出されている。本稿では, WHOが分類する6地域における2020年の麻疹流行状況およびその遺伝子型について報告する。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan