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RSウイルスの重症化メカニズム

(IASR Vol. 43 p85-86: 2022年4月号)

 

 RSウイルス(RSV)による呼吸器感染症は季節性の流行を引き起こし, 生後2回のシーズンを通してほとんどの小児が感染する。感染した乳児の約半数は下気道感染症を合併し, 全体の3%が入院に至る疾病負荷の高い感染症である1)。小児入院患者の80-90%が健常児であり, 重症化メカニズムの理解には, 乳児における初感染時の病像を念頭におく必要がある。典型的には細気管支炎を発症した生後6か月未満児の多くが第5~6病日に呼吸障害のピークを迎える。また, 呼吸器ウイルス感染症による入院例の8割をRSVが占めるなど, RSV本来の病原性は高い1)

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