(IASR Vol. 43 p155-156: 2022年7月号)
マスギャザリング等により感染症の発生リスクが高まることが見込まれる期間における感染症法に基づく感染症発生動向調査(NESID)は, 強化サーベイランスを実施することとしている。これには事前のリスク評価に基づいた強化サーベイランス対象疾患を選定し異常探知時における対応手順を策定し, それらを関係者間に周知することが求められる。強化サーベイランス実施期間中はモニタリング・情報収集およびそれらの評価を強化し, 対策への活用を念頭に, 関係者間において, 異常探知のみならず「異常なし」が迅速に共有され, 対策に活用されることが重要である。本稿では, 東京2020大会*中における強化サーベイランスについて記述した。