国立感染症研究所

	改訂版症例定義 （2012年11月28日現在の暫定的症例定義）   2012年9月29日時点のWHOによる症例定義はこちらから→ 2012年9月25日時点のWHOによる症例定義はこちらから→
	〇調査が必要な患者（“調査中の患者”と表現する） 急性の呼吸器感染を呈している者（経過中の発熱か、計測した体温で38℃以上の発熱と、咳を伴うこともある）、かつ 臨床的または放射線学的に肺実質疾患（例：肺炎またはAcute Respiratory Distress Syndrome（ARDS））が疑われる、かつ 発症前10日以内にアラビア半島やその周辺諸国へ渡航または居住していた、かつ 地域の市中肺炎診療ガイドラインに基づいて実施された検査結果を含め、他の感染症または他の病因*で説明できない。 新種のコロナウイルスの検査をする前に、他の病原体全ての検査結果を待つ必要はない。 〇症状を呈する接触者 新種のコロナウイルス感染症の確定例または疑い例の有症期間の濃厚接触者**で、接触後10日以内に発病した急性呼吸器疾患の者（重症度は問わない） 新種のコロナウイルス感染症の確定例または疑い例の有症期間の濃厚接触者は、呼吸器症状の発症がないか注意深く経過観察する。濃厚接触から10日以内に発症を認めた接触者に対しては、その重症度に関わらず“調査中の患者”とし、適切な調査を行う。 〇症例の集積（クラスター） 居住地や渡航歴に関わらず、重症急性呼吸器感染症（severe acute respiratory illness: SARI）***、特に集中治療を要する患者の集積****、かつ 地域の市中肺炎診療ガイドラインに基づいて実施された市中肺炎に対するすべての検査結果を含め、他の感染症または他の病因で説明できない。 〇医療従事者 重症急性呼吸器感染症の患者、特に集中治療を要する患者の診療を行った医療従事者で原因不明の肺炎を呈した者（居住地や渡航歴に関わらない）、かつ 地域の市中肺炎診療ガイドラインに基づいて実施された市中肺炎に対するすべての検査結果を含め、他の感染症または他の病因で説明できない。 * 他の病原体の例 Streptococcus pneumoniae, Hemophilus influenza type B, Legionella pneumophila、他の原発性細菌性肺炎、インフルエンザウイルス、RSウイルス   ** 濃厚接触者の定義  ・医療従事者や家族、または同様な状況で、症例の世話をした者。  ・症例に症状があった時期に同じ場所に滞在（同居、訪問等）した者。   *** 重症急性呼吸器感染症の定義 以下の条件を満たす呼吸器感染症  ・経過中の発熱か、計測した体温で38℃以上の発熱と、咳、  ・最近7日以内の発症、  ・入院治療が必要   **** 集積（クラスター）の定義  ・2週間以内に発生した2人以上の重症急性呼吸器感染症の患者、かつ  ・学校の教室、職場、家族、親類、病院、他の居住施設、兵舎、キャンプ場等の特別な環境と関連する   出典  WHO（GAR） Interim surveillance recommendations for human infection with novel coronavirus (28 November 2012) http://www.who.int/csr/disease/coronavirus_infections/en/index.html