国立感染症研究所

 

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電子カルテの診療データを用いた季節性インフルエンザとCOVID-19の呼吸器感染症サーベイランスの有用性検討

(IASR Vol. 44 p204-207: 2023年12月号)
 
背 景

世界保健機関(WHO)は, 季節性インフルエンザや新型コロナウイルス感染症(COVID-19)等の急性呼吸器感染症について, インフルエンザ様疾患(ILI)の定点サーベイランスを用いて, 全外来受診者数中のILI患者数の割合(ILI%)やILI患者数(または検査数)中の検査陽性例の割合(検査陽性率, 以下, 陽性率)等を経時的に示すことを推奨している1)。わが国の法に基づく感染症サーベイランスにおいては, 届出対象となる感染症に関して, 従来から感染症を診断した際に医師により患者の届出が義務づけられてきた2)。この患者サーベイランスの課題としては, 検査数が把握されていないことが挙げられる。患者報告数の推移は, 受診行動や検査数の変化等にも影響を受けるため, 検査数や陽性率を同時に評価することが重要である。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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