(IDWR 2001年第45号掲載)

 オウム病はオウム病クラミジア(Chlamydia psittaci 以下C. psittaci)による人獣共通感染症である。
 感染様式としては、病鳥の排泄物からのC. psittaci の吸入が主体であるが、口移しの給餌や噛まれて感染することもまれにある(図1)。 飼育しているトリから複数の家族が同時に感染し発症する家族内発生も、ときに認められる。オウム病の潜伏期間は1〜2週間で、急激な高熱と咳嗽で発症す る。軽症の気道感染から、肺炎や髄膜炎までの多様な病態を含む。市中肺炎における頻度はさほど高くはないが、中等症までの非定型肺炎と原因菌不明の重症肺炎では、必ず鑑別に入れる必要がある。

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