(2013年06月19日改訂)

B型肝炎の原因ウイルスであるB型肝炎ウイルス(HBV)は、1964年Blumbergらによるオーストラリア抗原として発見された。発見当初は免疫血清学的手法を用いて研究されてきたが、1970年にHBVの本態であるDane粒子が同定され、さらに1979年ウイルス粒子から、そこに含まれるウイルスゲノムがクローニングされ、HBVおよびB型肝炎に関する知見は飛躍的に進展した。B型肝炎に対しては1985年に母子感染予防対策が確立し、2000年には核酸アナログ製剤が治療法として導入され、現在ではインターフェロン(IFN)製剤と核酸アナログ製剤を用いることで、B型肝炎はウイルス増殖を抑え、肝疾患の進展を防ぐことが可能になってきている。しかし、我が国でも欧米に多い遺伝子型Ae株の症例が増加しており、免疫・化学療法によってB型肝炎が再活性化する問題も明らかになっている。

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