(2013年06月19日改訂)

1989年にC型肝炎ウイルスの遺伝子断片が捉えられてから24年が経ち、治療法は大いに進歩してきた。遺伝子型1bで高ウイルス量症例に対しては従来のインターフェロン (IFN)とリバビリン(RVB)併用療法ではSustained virological response (SVR)が40-50%程度であったが、プロテアーゼ阻害剤の併用によりどこまで改善するか期待されている。さらに、近い将来導入されるNS5A阻害剤、ポリメラーゼ阻害剤により、IFNのない経口薬での治療で、HCVの撲滅も間近に迫っているといっても過言ではない。しかし、我が国にはいまだに約150万人、全世界には約1.7億人もの感染者が存在すると推定されており、HCVは感染後、持続感染により慢性肝炎をひき起こしやすく、さらに肝硬変、肝細胞癌へと進行することがあるので、公衆衛生上最も重要な病原ウイルスのひとつである。

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