(IDWR 2000年第32号掲載)

 ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP:penicillin-resistant Streptococcus pneumoniae)は、肺炎球菌や化膿連鎖球菌などグラム陽性球菌に有効な抗生物質であるペニシリンに耐性を獲得した肺炎球菌である。PRSPの病原 性は、肺炎球菌と同等であり健常者の口腔などに定着していても、通常は無症状であるが、咽頭炎や扁桃炎などの炎症が発生した場合には、炎症部位で菌が増殖 し感染症状を呈することが多い。また、乳幼児の化膿性髄膜炎や小児の中耳炎、肺炎、高齢者の肺炎などの原因菌となる。ペニシリンに対する耐性度によりペニシリン低感受性菌(PISP)とペニシリン耐性菌(PRSP)に区別される。

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