(2016年4月7日 改訂)

 ハンセン病は皮膚と末梢神経を主な病変とする抗酸菌感染症 で、現在は途上国を中心に患者がいるものの、日本では毎年数名の新規患者の発生で、過去の病気になってきている。しかし、感染症法の前文には「我が国にお いては、過去にハンセン病、後天性免疫不全症候群等の感染症の患者等に対するいわれのない差別や偏見が存在したという事実を重く受け止め、これを教訓とし て今後に生かすことが必要である。」と記載されている。

 ハンセン病は社会との関係を抜きにしてはこの疾患の本質を理解することはできない。

 なお、従来本疾患は「らい」、「癩」などと呼称されてきたが、これらの呼称は現在は偏見・差別を助長するものとして使用せず、「ハンセン病」が正式病名である。

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