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千葉県での日本脳炎ウイルスの動態について

(IASR Vol. 38 p.154-155: 2017年8月号)

千葉県では感染症流行予測調査事業による日本脳炎の感染源調査(ブタ)と当所独自の遺伝子調査(蚊)を行っている。これまでの調査から, 県内に日本脳炎ウイルス(JEV)が浸潤していることが確認されており, 患者の発生が危惧されていた。2015年, 急性脳炎と診断された患者の髄液からJEV遺伝子を検出し, 千葉県では1990年以来25年ぶりの日本脳炎患者発生となった。さらにペア血清における抗体価の有意な上昇が確認され, 日本脳炎の診断を裏付けた。今回, 患者の検査結果と千葉県におけるJEV感染環の現状を併せて考察した。

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