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輸入感染症としての結核

(IASR Vol. 38 p234-235: 2017年12月号)

近年の動向

わが国の2016年新届出結核患者17,625人のうち, 出生国が判明した者は16,842人で, そのうちの7.9%(1,338 人)が外国生まれであった1)。新届出結核患者中における外国生まれ患者の割合は, 近年増加傾向にある(図1)。他の工業先進諸国と比較すると, その割合は, 全体としてはまだ小さいが(2), 年齢階層別に見てみると15~24歳の新届出結核患者における外国生まれの割合は過半数を超えており, 2016年で58.6%(471/ 804)に達している1)。すべての年齢階層においてその割合は増加傾向にあり, 外国生まれ結核患者への対応が, わが国の結核対策上, 最優先課題の一つであることを示唆している。

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