IASR-logo

成人における風疹IgM抗体価の診断的価値について

(IASR Vol. 39 p37-38: 2018年3月号)

背 景

世界保健機関(WHO)によると風疹IgM抗体は発疹出現後4~28日の患者血清で陽性になるとされている1)。しかし, 日本で2012~2013年に起きた成人男性を中心とする風疹流行では, 発疹出現後4日でも風疹IgM抗体の上昇が認められない事例が相次ぎ, 臨床現場を混乱させた。過去の風疹IgM抗体に関する報告2,3)は風疹の診断が核酸検査に基づいていないものが多く, 患者集団も小児が中心で, 風疹IgM抗体の診断的意義については検討の余地がある。本研究では核酸検査で風疹と確定された成人症例に関し, 風疹IgM抗体の診断的価値とこれに影響を与える因子を解析した。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan