(IASR Vol. 40 p40-42: 2019年3月号)
日本国内で確認されるヒトのエキノコックス症のほとんどが多包性エキノコックス症で, 患者は原因種の多包条虫が常在する北海道に集中する。しかし北海道以外の都府県からも少数ながら報告があり, 感染症法に基づく届出が義務化される以前の症例の中には, 既知の流行地と接点を持たない, いわゆる原発疑い例が存在する1)。非流行地で発生した原発疑い例は, 患者居住地周辺に感染源が存在したことを示唆するが, 実際に感染源が証明された症例はない。
続きを読む: 家畜を介した非流行地へのエキノコックスの拡散
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