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ウイルス遺伝子配列による伝播クラスタ解析による国内MSM集団におけるHIV伝播の動態

(IASR Vol. 40 p167-169:2019年10月号)

あるウイルスの伝播の動態は, そのウイルス感染の予防に重要な情報となる。発症率の集積の観察による流行クラスタは, ウイルス伝播そのものをみてはいない。伝播の動態を知るには, 通常ヒアリング等の積極疫学調査による社会的ネットワーク解析が使われるが, HIV/AIDSでは対象リスク集団に存在するスティグマの問題がこれを困難にしている。近年の遺伝子解析技術の向上によって, ウイルス遺伝子配列から推定した遺伝的伝播クラスタが, 社会的ネットワークを代替する方法として一般的になってきた。

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