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腸重積症サーベイランスのアップデート

(IASR Vol. 40 p213-215:2019年12月号)

ロタウイルスは小児の重篤な下痢症の最大の原因病原体であり, 主に乳幼児に急性胃腸炎を引き起こす。ロタウイルスは非常に強い感染力を持ち, ごくわずかなウイルス粒子が体内に入り込むだけで感染が成立すると言われている。従って衛生状態をいかに改善しても, すべての小児が5歳までに罹患すると考えられている。ロタウイルス感染性胃腸炎の予防は非常に困難であるため, 古くからロタウイルスワクチンの開発に力が注がれ, 現在では日本国内でも2種類のロタウイルスワクチン(Rotarix®, RotaTeq®)が接種可能となっている。これらのワクチンは国内外からの報告によると, ロタウイルス胃腸炎, 特に重篤な入院例の予防に高い効果を認めている。

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