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1988年、米国カイロン社が輸血後非A非B 型肝炎の原因ウイルスとして、C型肝炎ウイルス(HCV)の遺伝子の一部を発見することに成功しました。その後、このウイルスに対する各種診断技術が開発 され、血液スクリーニングに導入されたため、輸血によるC型肝炎の発生はほとんど見られなくなりました。しかしながら、現在我が国には200-240万 人、全世界にも約1.7億人もの感染者が存在すると推定されております。さらに、C型肝炎感染者は肝硬変、肝癌と病気が進行する可能性もあり、HCVは公 衆衛生上最も重要な病原ウイルスの一つと考えられています。本稿では、C型肝炎に関する最近の話題とそれの理解に必要な病気の特徴について述べたいと思い ます。
国立感染症研究所・ウイルス第二部 脇田隆字