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成人百日咳抗PT-IgG抗体高値例の検討

(IASR Vol. 40 p13-14: 2019年1月号)

はじめに

2018年初より, 百日咳は5類感染症 (全数把握疾患) となり, 成人例についても届出が必要となった1)。百日咳の診断は, 臨床症状に加えて, 病原体の検出, PCR法またはLAMP法による病原遺伝子の検出, 抗体の検出のいずれかによるとされているが, 成人の症例では一般的に, 菌の培養やPCR法, LAMP法が施行されることは少なく, シングル血清での抗PT-IgG抗体価測定によりなされている。2018年第1週~第16週までに全国から届け出された百日咳症例のうち, 52%がシングル血清での抗体価高値によるものと報告されており, 成人症例の多くはここに含まれる2)

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