(IDWR 2004年第23号掲載)

 伝染性紅斑(Erythema infectiosum)は第5病(Fifth disease)とも呼ばれ、頬に出現する蝶翼状 の紅斑を特徴とし、小児を中心にしてみられる流行性発疹性疾患である。両頬がリンゴのよう に赤くなることから、「リンゴ(ほっぺ)病」と呼ばれることもある。本症の病因は長く不明であっ たが、1983年にヒトパルボウイルスB19(human parvovirus B19:以下B19)であることが提唱さ れ、その後の研究によって確実なものとなった。病因が明らかになったことに伴って、本症の周 辺には多くの非定型例や不顕性感染例があること、多彩な臨床像があることなども明らかになった。

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