(2013年05月07日改訂) 風疹(rubella)は、発熱、発疹、リンパ節腫脹を特徴とするウイルス性発疹症である。症状は不顕性感染から、重篤な合併症併発まで幅広く、臨床症状のみで風疹と...
免疫のない女性が妊娠初期に風疹に罹患すると、風疹ウイルスが胎児に感染して、出生児に先天性風疹症候群 (CRS)と総称される障がいを引き起こすことがある。
2013年に入り風疹ウイルスの分離・検出報告数が急増している(図1)。事業所、福祉施設、保育所などにおける風疹の集団発生事例(速報参照:島根県、鹿児島県)からも報告されている。
2013年は第1週~第52週までに大阪府277例、千葉県149例、兵庫県100例、和歌山県98例、神奈川県76例、東京都44例、埼玉県31例、島根県25例など32都道府県から984例の風疹ウイルスの分離・検出が報告されている。 遺伝子型別まで実施された457例では、2B型が412例、1E型が42例報告された。 この他に1a型(ワクチンタイプ)3例がMRワクチン接種者から検出されている(図2上)。
なお、2012年(第1週~第52週)は兵庫県56例、神奈川県34例、大阪府32例、千葉県26例、埼玉県18例、愛知県12例、東京都10例、三重県9例、静岡県7例など24都府県から233例が報告されている。 遺伝子型別まで実施された170例では、2B型が134例、1E型が35例報告された。 この他に1a型1例がMRワクチン接種者から検出されている(図2下)。
上記報告には、MRワクチン接種後に風疹に罹患し、検査診断により接種前の自然感染が判明した例(速報参照:川崎市)や、麻疹疑い例の検査診断で麻疹ウイルスが検出されず風疹ウイルスが検出された例(IASR 34: 96-97, 97-98, 2013)、急性脳炎患者(1例, 2B型)(IASR 33: 305-308, 2012)や先天性風疹症候群(CRS)患児(IASR 34: 95-96, 2013)からの検出も含まれている。
また、タイ(2B型1例)、マレーシア(1E型1例)、マレーシア・インドネシア(遺伝子型不明1例)などへの渡航歴のある例も含まれている。
2012年第1週~2013年第52週の風疹ウイルスの分離・検出例は男性が908例、女性が302例、性別不明7例と、男性が多い。男性では30代を中心に20~40代、女性では15~29歳が多い(図3)。
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