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風疹・先天性風疹症候群 2024年2月現在

(IASR Vol. 45 p51-52: 2024年4月号)
 

風疹は風疹ウイルスによる急性感染症であり, 発熱, 発疹, リンパ節腫脹を主徴とする。風疹に対する免疫が不十分な妊婦が風疹ウイルスに感染すると, 胎盤を通じて胎児にウイルスが感染し, 死産や流産, および心疾患, 難聴, 白内障等の様々な症状を示す先天性風疹症候群(CRS)の児が出生する可能性がある。風疹およびCRSに対する特異的な治療法はないが, 風しん含有ワクチンを用いての予防が可能である。2014年に厚生労働省(厚労省)は「風しんに関する特定感染症予防指針」を策定し, 早期にCRSの発生をなくすとともに, 2020年度までに風疹排除を達成することを目標にした施策の方向性を定めた。さらに厚労省は2018年に「風しんに関する追加的対策骨子」を策定し, 過去に風疹の定期予防接種を受ける機会がなく, 特に抗体保有率が低い世代(1962年4月2日~1979年4月1日生まれ)の男性を対象として, 2019年度から抗体検査を前提とした定期予防接種(第5期)を実施することとした。本定期予防接種は2024年度末まで実施される。

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