(IASR Vol. 39 p29-31: 2018年3月号)
風疹は風疹ウイルスによる急性感染症で, 発熱, 発疹, リンパ節腫脹を3主徴とする。一般的に症状は軽症であるが, まれに脳炎や血小板減少性紫斑病などの合併症を発症する。感受性のある妊婦に風疹ウイルスが感染すると, 胎内で児に伝播することがあり, 特に妊娠20週頃までの母体への感染において, 心疾患, 白内障, 難聴, 低出生体重, 血小板減少性紫斑病, 精神運動発達遅滞等の様々な症状を示す先天性風疹症候群(CRS)の児が出生する可能性がある(5ページ)。風疹およびCRSの発生予防には安全性および有効性の高いワクチンが存在する。