国立感染症研究所

IASR-logo

基幹定点医療機関とJANISにおけるペニシリン耐性肺炎球菌感染症報告の推移

(IASR Vol. 44 p16-17: 2023年1月号)

 

 国内のペニシリン耐性肺炎球菌(penicillin-resistant Streptococcus pneumoniae: PRSP)のサーベイランスには, 1999年4月施行の感染症法に基づく, 基幹定点医療機関の入院患者におけるPRSP感染症が月ごとに届出される感染症発生動向調査(National Epidemiological Surveillance of Infectious Diseases: NESID)と, 統計法に基づき任意参加の医療機関で行われている, 保菌を含めたPRSP検出状況が把握できる厚生労働省院内感染対策サーベイランス事業(Japan Nosocomial Infections Surveillance: JANIS)検査部門がある。

IASR-logo

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)と侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の共感染例の臨床像

(IASR Vol. 44 p14-16: 2023年1月号)

 

 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)パンデミック後は侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の有病率の低下が報告されている1)が, 我々はCOVID-19にIPDが共感染した症例を経験したので提示する。

IASR-logo

今後期待される新規肺炎球菌ワクチン

(IASR Vol. 44 p3-5: 2023年1月号)

 
背 景

 肺炎球菌は急性中耳炎や肺炎をはじめ, 特に乳幼児, 高齢者において, 菌血症, 髄膜炎など侵襲性感染症(invasive pneumococcal disease: IPD)をきたす重要な病原体である。現在国内では肺炎球菌莢膜多糖体を標的抗原とした, 沈降13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13), 23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)の2種類のワクチンが用いられている。

IASR-logo

2019~2021年度の高齢者の肺炎球菌ワクチンの定期予防接種実施率―富山県

(IASR Vol. 44 p5-6: 2023年1月号)

 
背 景

 わが国では2014年10月から高齢者の肺炎球菌感染症は定期予防接種の対象となり, インフルエンザと同様にB類疾病に位置付けられている。2014~2018年度には65歳および70~100歳の5歳刻み年齢の者に対し, さらには2014年度中においては2013年度末に100歳以上の者に対し, 5年間の経過措置として23価肺炎球菌莢膜ポリサッカライドワクチン(PPSV23)による定期の予防接種を実施してきた。既報によれば, 2016年には約7割の市町村でB類疾病の接種対象者に個別通知が送付されていた1)。その結果, 同期間の65歳以上の初回接種通知受領者における定期予防接種実施率は33.5-38.3%であった2)。このように肺炎球菌ワクチンの定期予防接種実施率が低迷する状況から, 2019年3月に厚生労働省は接種率向上のための取り組みとして, 2019~2023年度までの各年度に65歳および70~100歳の5歳刻み年齢の者に対し, さらに2019年度には2018年度末に100歳以上の者に対し, 肺炎球菌感染症にかかわる定期予防接種を行うことを規定し3), 2014~2018年度に定期予防接種を受けなかった者にも接種機会が与えられた。しかしながら, 2019, 2020年度の定期予防接種実施率はそれぞれ13.7%, 15.8%とさらに低下する結果となっている2)

IASR-logo

LAMP法による肺炎球菌血清型別の有用性

(IASR Vol. 44 p6-7: 2023年1月号)

 
はじめに

 肺炎球菌の血清型別は従来から莢膜膨化法が用いられ, 近年ではmultiplex PCR法(PCR法)による血清型別も開発されているが1), 従来法に比べ, 迅速・簡便・安価なLAMP法による肺炎球菌血清型別について報告する。

IASR-logo

小児侵襲性肺炎球菌感染症(IPD)の発生動向および起炎菌血清型変化の解析

(IASR Vol. 44 p11-12: 2023年1月号)

 

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

Top Desktop version