国立感染症研究所

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bac 2024 03
Individual Atg8 paralogs and a bacterial metabolite sequentially promote hierarchical CASM-xenophagy induction and transition

Chisato Sakuma, Sayaka Shizukuishi, Michinaga Ogawa, Yuko Honjo, Haruko Takeyama, Jun-Lin Guan, Jeffery Weiser, Miwa Sasai, Masahiro Yamamoto, Makoto Ohnishi & Yukihiro Akeda

Cell Reports 43, 114131, May 28, 2024
doi.org/10.1016/j.celrep.2024.114131 (2024)

侵襲性肺炎球菌感染症の発症メカニズムの一つとして、鼻咽頭上皮細胞などの宿主細胞へ定着した肺炎球菌がエンドサイトーシス経路を利用して細胞内に侵入する経路がある。上皮細胞における自然免疫ではゼノファジーと呼ばれる2重膜からなる典型的なオートファジーと、conjugation of Atg8s to single membranes(CASM)と呼ばれる1重膜からなる非典型的なオートファジーが細胞内に侵入した細菌を排除している。これまでに、我々は、細胞内の肺炎球菌がCASMの惹起とその消失、それに続くゼノファジーの発動という3つのステップからなるユニークな多層的・階層的オートファジーを誘導することを報告している。

今回、我々は、オートファゴソーム形成の主要因子である6つのAtg8パラログ(LC3A/B/C/GBRP/GBRPL1/GATE16)のノックダウン、ノックアウト細胞における表現型を多面的に解析するオートファジーマトリクスを構築し、肺炎球菌が誘導する階層的オートファジーの分子機構について網羅的な解析を行った。その結果、機能的リダンダンシーが存在すると考えられてきた各Atg8パラログが肺炎球菌の感染時間に伴い異なる局在パターンを示すこと、LC3AとGBRPL1がCASM誘導に、GATE16がCASMの消失に、GBRPがゼノファジー誘導に、それぞれ関与することを見いだした。さらに、菌側の解析を行った結果、CASMの消失には肺炎球菌が宿主細胞内で産生するH2O2とその下流で働くCa2+シグナルが関与することも明らかとなり、host、pathogen両方の視点から階層的オートファジーの作動原理の一端が明らかとなった。

本研究はJSPS科研費の支援を受けて実施された。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan

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