Estimating HIV-1 incidence in Japan from the proportion of recent infections .
Matsuoka S, Nagashina M, Sadamasu K, Mori H, Kawahata T, Zaitsu S, Nakamura A, de Souza MS, Matano T.
Prev. Med. Rep. 2019. 16, 100994.
HIV感染拡大防止に向け、未診断者を含むHIV感染者の動向把握は重要である。WHO/UNAIDSではHIV感染後早期に診断・治療に結び付けることを感染拡大防止の重要戦略の一つとし、診断率を90%以上に上げるという数値目標を設定している。本研究では日本国内のHIV発生数(Incidence)、感染から診断に至るまでの期間、および診断率の推定を試みた。
地域別調査に基づく抗HIV抗体アルゴリズムの解析から、HIV感染後の早期診断率は過去10年間変化がなく、かつ診断率には地域差があることが明らかになった。さらにこのデータを基に日本国内HIV感染者数を推定し、日本国内のHIV診断率が90%に到達していないことを示した。本研究は生体マーカーを活用した初めての日本国内HIV感染者数の推定である。