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岐阜県で発症した2例目の乳児ボツリヌス症

(IASR Vol. 39 p178-179: 2018年10月号)

はじめに

乳児ボツリヌス症は稀な疾患で, 1歳未満の乳児がボツリヌス菌の芽胞を経口摂取した時に起こり, 未熟な腸管内で増殖した菌から産生される毒素により発症する。乳児ボツリヌス症の原因となる食品には蜂蜜があるが, 1987年に厚生省(当時)から1歳未満の乳児に蜂蜜を与えないようにという通知が出されてから蜂蜜摂取による症例は激減した1)。岐阜県においては1988年に最初の乳児ボツリヌス症が報告されてからこれまで報告はなかった2)。我々は, 蜂蜜摂取の既往のない乳児で, 2016年に岐阜県で2例目となる乳児ボツリヌス症事例を経験した3)

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