インフルエンザとは

(IDWR 2005年第8号掲載)  インフルエンザ(influenza)は、インフルエンザウイルスを病原とする気道感染症であるが、「一般のかぜ症候群」とは分けて考えるべき「重くなりやすい疾患」である。

続きを読む

今冬のインフルエンザについて (2022/23シーズン)

国立感染症研究所
厚生労働省健康・生活衛生局感染症対策部感染症対策課
令和5年12月19日

はじめに

今冬のインフルエンザについて、主に感染症発生動向調査に基づき、全国の医療機関、保健所、地方衛生研究所、学校等からの情報、国立感染症研究所関係部・センターからの情報をまとめました。本報告は疫学的及びウイルス学的観点から公衆衛生上有用と思われる知見をまとめたものです。比較のために、多くの場合、過去の数シーズンの情報も合わせて掲載しています。なお、2022/23シーズンは、複数の発生動向に関する指標の水準が2020/21シーズンと2021/22シーズンのそれを上回りましたが、新型コロナウイルス感染症が流行する前のシーズンと比較すると低い水準でした。また、2020年以降、世界的な流行となった新型コロナウイルス感染症そのものや、その流行に対する個人の受療行動や公衆衛生上の対応等により、インフルエンザの発生動向や関連する指標への影響が生じていた可能性があり、その解釈に注意が必要であることを申し添えます(新型コロナウイルス感染症は、感染症法上、2020年2月1日から2021年2月12日までは指定感染症、2021年2月13日から2023年5月7日までは「新型インフルエンザ等感染症」としての取り扱いでした)。

本文中に示す各シーズンの表記と期間は以下のとおりです。

  • 今シーズン(2022/23シーズン):2022年第36週(2022年9月5日)から2023年第25週(2023年6月25日)まで(分析対象によっては期間が多少前後します)
  • 前シーズン(2021/22シーズン):2021年第36週(2021年9月6日)から2022年第35週(2022年9月4日)まで
  • 前々シーズン(2020/21シーズン):2020年第36週(2020年8月31日)から2021年第35週(2021年9月5日)まで

年齢群に分けて表示する場合には、原則的には0-4歳、5-9歳、10-14歳、15-19歳、20-29歳、30-39歳、40-49歳、50-59歳、60-69歳、70歳以上とし、小児が流行の主体であるというインフルエンザの特性から小児の年齢群のみを5歳ごと、20歳から69歳については10歳ごととしていますが、一部は、0-14歳(あるいは15歳未満等の表現)、15-59歳、60歳以上という年齢群を併記している箇所もあります。

A型インフルエンザウイルスにおける同じ亜型の表記の方法に若干の違いが見られることがあります。これは、例えばヘマグルチニン(HA)の分類までを調べた情報を主とする場合(AH3亜型などと総称する)、やノイラミニダーゼ(NA)まで含めた詳しい分析を主に含む場合、などの違いによるもので、実際には同じ亜型について述べています。

例) ・A(H3N2)亜型、AH3亜型
    ・A(H1N1)pdm09亜型、AH1pdm09亜型、AH1pdm亜型

 

本記事の本文は下記のPDF版からご覧ください。

今冬のインフルエンザについて (2022/23シーズン)

 

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan