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5類定点把握対象性感染症とエムポックスの発生動向

(IASR Vol. 44 p200-201: 2023年12月号)
 

感染症法で報告が求められている主な性感染症には, 陰部に潰瘍性の病変を生じる梅毒, エムポックス, 性器ヘルペスウイルス感染症, 腫瘤性の病変を生じる尖圭コンジローマ, 尿道炎や子宮頸管炎の症状を呈する性器クラミジア感染症と淋菌感染症がある。感染症法上, エムポックスは4類感染症に, 梅毒は5類感染症に分類され, すべての医師が診断を行った際に届出が必要な全数把握疾患である。一方, 性器ヘルペスウイルス感染症, 尖圭コンジローマ, 性器クラミジア感染症, 淋菌感染症は5類定点把握対象疾患で, 産婦人科, 皮膚科および泌尿器科等の性感染症を診療する医療機関のうち, 地方自治体が定めた性感染症定点医療機関から報告されている。本稿では, 特集が組まれている梅毒(本号1ページ参照)を除く上記疾患に関し, 感染症発生動向調査における2013年以降の10年間の報告を紹介する。

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