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梅毒合併妊婦に対する治療と先天梅毒の現状

(IASR Vol. 44 p195-197: 2023年12月号)
 
1. はじめに

梅毒は, 世界中で現在流行している。国内では2022年に梅毒感染者数が, 1999年4月に感染症法上の5類感染症の全数把握対象疾患に定められて以来初となる10,000人を突破した。2012年まではMSM(men who have sex with men)の中でわずかにみられていた梅毒が, 2013年以降では, 女性感染者が急増した。女性感染者の3/4は20~30代であり, 若年層が中心である。さらに, 母子感染症である先天梅毒が増加している。梅毒合併妊婦は年間200例を超え, 先天梅毒は2012年まで年間数例であったものが今では年間20例を超えている。

Copyright 1998 National Institute of Infectious Diseases, Japan