新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報

公開講座

令和6年度 国立感染症研究所研究発表会(学生・若手研究者対象 研究部紹介)

国立感染症研究所では、ウイルス・細菌・真菌・寄生虫等による各種感染症の克服に向け、数々の基礎・臨床研究に取り組んでいます。 感染症研究を志す若手研究者・医療関係者・学生の皆様のご参加を歓迎します。  2024年5月25日(土)13:00〜18:00 Zoom Webinarで開催いたします。参加を希望...

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令和6年度 感染研市民公開講座 知らなかった、感染症の「へぇー、そうだったんだ!」 (全6回)

掲載日:2024年5月8日 オンライン企画(世界中どこからでも視聴可能!) 令和6年度 国立感染症研究所 感染研市民公開講座知らなかった、感染症の「へぇー、そうだったんだ!」 ポスターPDF 感染症にまつわる、普段なかなか聞くことができないさまざまな「へぇー、そうだったん...

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IASR最新号 特集記事

IASR 45(4), 風疹・先天性風疹症候群 2024年2月現在

  風疹・先天性風疹症候群 2024年2月現在 (IASR Vol. 45 p51-52: 2024年4月号)   風疹は風疹ウイルスによる急性感染症であり, 発熱, 発疹, リンパ節腫脹を主徴とする。風疹に対する免疫が不十分な妊婦が風疹ウイル...

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麻疹の抗体保有状況―平成29(2017)年と感染症流行予測調査(暫定結果)

(IASR Vol. 39 p61-62: 2018年4月号)

はじめに

感染症流行予測調査における麻疹の感受性調査(抗体保有状況調査)は, 1978年度に開始後, ほぼ毎年実施されてきた。国民の抗体保有状況を把握することで, 効果的な予防接種施策の立案ならびに麻疹排除の維持に役立てることを目的としており, 乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層における予防接種状況ならびに抗体保有状況について調査を行っている。

麻疹の予防接種は1966年から任意接種として始まり, 1978年10月に予防接種法に基づく定期接種に導入された。当時の定期接種対象年齢は, 生後12か月以上72か月未満であった。1989年4月~1993年4月の4年間は, 麻疹の定期接種の際に麻しんワクチンあるいは麻しんおたふくかぜ風しん混合(MMR)ワクチンの選択が可能となった。1995年度から定期接種対象年齢が生後12か月以上90か月未満に変更となり, 2006年度から麻しん風しん混合(MR)ワクチンが導入され, 接種対象年齢は第1期(生後12か月以上24か月未満), 第2期(5歳以上7歳未満で小学校就学前1年間の者)の2回接種となった。2008~2012年度の5年間は, 10代への免疫強化を目的として第3期(中学1年生相当年齢の者), 第4期(高校3年生相当年齢の者)の定期接種が実施された。

2017年度はわが国における麻疹排除認定(2015年3月)2年後の調査となり, 抗体保有状況調査は, 今後の麻疹対策および麻疹排除の維持を継続していく上で重要である。

調査対象

2017年度の麻疹感受性調査は23都道府県で実施され, 麻疹のゼラチン粒子凝集(PA)抗体価の測定は各都道府県衛生研究所において行われた。なお, 本調査の抗体価測定対象者の採血時期は, 原則として2017年7~9月であり, 2018年1月19日現在, 6,247名の抗体価が報告された。

抗体保有状況

麻疹に対する抗体保有状況についてに示した。麻疹のPA抗体価1:16以上の抗体保有率は, 昨年度の調査に続き2歳以上のすべての年齢/年齢群で95%以上を示した。また, 麻疹あるいは修飾麻疹の発症予防の目安とされるPA抗体価1:128以上についてみると, 2~6歳, 18歳, 20~24歳, 40~59歳の年齢/年齢群で90%以上の抗体保有率であった。

まとめ

麻疹のPA抗体保有率は, 2015年度調査以降, 3年連続で2歳以上のすべての年齢/年齢群で95%以上を示し, 高い抗体保有率が維持されていた。一方, すべての年齢層にPA抗体価1:128未満の低い抗体価の者が存在することから, 麻疹の排除状態を維持するためには, 引き続き麻疹患者が1人でも発生した時の迅速な感染拡大予防策に加えて, 渡航前の麻しん含有ワクチンの接種ならびに高い予防接種率・抗体保有率の維持が重要である。

 

国立感染症研究所感染症疫学センター 多屋馨子 佐藤 弘 大石和徳
国立感染症研究所ウイルス第三部 竹田 誠
2017年度麻疹感受性調査実施都道府県:
 北海道 宮城県 山形県 福島県 茨城県 栃木県 群馬県 千葉県
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