新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連情報

公開講座

令和6年度 国立感染症研究所研究発表会(学生・若手研究者対象 研究部紹介)

国立感染症研究所では、ウイルス・細菌・真菌・寄生虫等による各種感染症の克服に向け、数々の基礎・臨床研究に取り組んでいます。 感染症研究を志す若手研究者・医療関係者・学生の皆様のご参加を歓迎します。  2024年5月25日(土)13:00〜18:00 Zoom Webinarで開催いたします。参加を希望...

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令和6年度 感染研市民公開講座 知らなかった、感染症の「へぇー、そうだったんだ!」 (全6回)

掲載日:2024年5月8日 オンライン企画(世界中どこからでも視聴可能!) 令和6年度 国立感染症研究所 感染研市民公開講座知らなかった、感染症の「へぇー、そうだったんだ!」 ポスターPDF 感染症にまつわる、普段なかなか聞くことができないさまざまな「へぇー、そうだったん...

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IASR最新号 特集記事

IASR 45(4), 風疹・先天性風疹症候群 2024年2月現在

  風疹・先天性風疹症候群 2024年2月現在 (IASR Vol. 45 p51-52: 2024年4月号)   風疹は風疹ウイルスによる急性感染症であり, 発熱, 発疹, リンパ節腫脹を主徴とする。風疹に対する免疫が不十分な妊婦が風疹ウイル...

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2017/18シーズンの季節性インフルエンザのワクチン効果の中間評価:欧州における5研究のまとめ

(IASR Vol. 39 p105-106: 2018年6月号)

欧州では, 2017年9月~2018年2月までの2017/18シーズンに, A(H1N1)pdm09, A(H3N2), Bの3つのインフルエンザが, 国ごとに異なるパターンで同時流行した。2017/18シーズンは, 3価ワクチンにはA/Michigan/45/2015(H1N1)pdm09, A/Hong Kong/ 4801/2014(H3N2), B/Brisbane/60/2008(ビクトリア系統)が, 4価ワクチンには加えてB/Phuket/3073/ 2013が含まれていた。今回, 欧州の5研究による今シーズンの季節性インフルエンザワクチンのワクチン効果(vaccine effectiveness: VE)についての中間評価をまとめた。

5研究のうち3つはスペイン, 英国, デンマークの単一国型で, 2つ(EU-PC, EU-H)は複数国参加型(前者10カ国, 後者6カ国)であった。スペイン, 英国, EU- PCの研究はプライマリーケア施設を対象とし, EU-Hは病院, デンマークの研究は両者を対象としていた。5研究では, いずれもtest negative designが用いられ, 65歳以上を対象としたEU-H以外は全年齢が対象であった。

分離されたウイルス株(6,979株)は, 英国を除く4研究では, Bが2/3以上(9割以上が山形系統)を占め, 英国ではA(H1N1)pdm09とA(H3N2)が半々であった。A型では, デンマークとEU-PCではA(H1N1)pdm09が, スペイン, 英国, UK-HではA(H3N2)が優位であった。A(H1N1)pdm09はすべてClade 6B.1(ミシガン系統), A(H3N2)は63%がClade 3C.2a(香港系統), 35%が3C2a1(シンガポール系統)に属していた。全インフルエンザに対するVEは25%〔95%信頼区間(CI): -10~48〕~52% (同29~67)と推定され, 65歳以上を対象としたEU-PCでは, VEは36%(95%CI: 13~53)と算出された。A(H1N1)pdm09に対するVEは, 55%(95%CI: 23~74)~68%(同42~83)であった。A(H3N2)に対するVEは, いずれの研究でも8%以下と低かった。Bに対するVEは, 36%(95%CI: 27~44)~54%(同24~72)であり, 65歳以上の高齢者で低く(各研究におけるVE 15~54%), 小児で高かった(同58~83%)。

A(H1N1)pdm09に対するVEは過去の他の報告同様良好であり, 流行株であったClade 6B.1がワクチン株に含まれていたことがその理由と考えられた。A(H3N2)に対するVEは低く, これは2016/17シーズンのEU-Hや2017シーズンの豪州からの報告と同様であった。A(H3N2)は2018シーズンの南半球, 2018/19シーズンの北半球のワクチン株が今シーズン3割を占めていたシンガポール系統になったが, 罹患者の多くが高齢者であることと低いVEから, 高齢者へのより効果的な介入が必要である。Bに対するVEは, 流行した山形系統はワクチンに含まれていなかったものの例年並みの値であり, Bに対してはcross-lineage protectionがあることを示唆している。4価インフルエンザワクチンのVEは, 小児の多くが4価ワクチンを使用している英国のみが推計し, 53%(95%CI: -56~86)であった。これは小児のほとんどが3価ワクチンを接種していたEU-PCのVE 59%とほぼ同等であったが, VEは流行株によって異なるため, 4価ワクチンと3価ワクチンのVEの比較は困難である。

今後の最終評価では, より大きなサンプルサイズから結果が正確に得られることが期待される。また, 前シーズンのワクチン接種状況別のVE解析が望まれる。

 

(Euro Surveill. 2018; 23(9): pii=18-00086)
(抄訳担当:感染研感染症疫学センター・川上千晶 山岸拓也 砂川富正)

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